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避妊・去勢のメリットとデメリット

こんにちは、獣医師の林です。

コロナ禍でペットブームが再来、
新たにご家族にワンちゃん、猫ちゃんを迎えた方も多いのではないかと思います。

子犬さん、子猫さんで迎えたときに病院でもお話されるのが『避妊・去勢』について。

男の子も女の子も、おおよそ生後半年を過ぎたあたり、
もしくは3回目のワクチン接種が終わったあたりに避妊・去勢手術のお話をされると思います。

なんとなく避妊・去勢手術は『しなければならない』と思われている方も多い印象ですが、
それぞれのメリット、デメリットはご存じでしょうか?
メリット・デメリットを知ったうえで手術を行うか否かを決められるよう、
今日はそれぞれのメリット・デメリットをお話ししたいと思います。


【 去勢手術 】

去勢手術は男の子の不妊手術のことを指し、精巣摘出・睾丸摘出術ともいわれます。
女の子と違ってお腹を開かない手術のため、お体に対する負担は女の子よりは軽いとも言えます。
※ただし、停留睾丸・潜在精巣と呼ばれる場合には開腹をする場合もあります。

メリットとしては、精巣を取り除きますので精巣関連の疾患が防げるということです。

望まない繁殖の予防や、男の子特有の前立腺の疾患や、肛門周囲腺腫、会陰ヘルニア
などの疾患の予防や治療としても役立ちます。

また、去勢手術を行うことで、交尾欲、攻撃性など、本能的な部分のストレスの予防
にも役立つといわれています。
マーキングが減るという説もありますが、
これはマーキング行動が見られる前に去勢手術を行った場合には収まる可能性がありますが、
習慣化してしまった後だとあまり意味がないというケースもあります。

デメリットとしては、麻酔によるリスク(どんなに安全な麻酔でも、絶対に大丈夫ということはありません)、
精巣を取ることによるホルモンバランスの乱れで太りやすくなってしまったり
免疫のアンバランスが生じてしまったり、尿失禁が起きてしまうといったことが考えられます。

また、当たり前と言えば当たり前ですが、精巣を取ってしまうので
『やっぱりこの子に子供を』と思っても精巣がないので作ることができないですよね。

望まぬ繁殖を防げる一方で、望む繁殖ができなくなるということもデメリットの1つになり得ると思います。


【 避妊手術 】

避妊手術には、現在2つの方法があります。
1つ目は子宮卵巣摘出術、2つ目は卵巣摘出術です。
オーソドックスな方法は1つ目の子宮卵巣摘出術になりますので、
今回はそちらにフォーカスしてメリット、デメリットをお伝えしていきたいと思います。

子宮卵巣は腹腔内に存在しますので、男の子と違い必ず開腹手術となります。
最近は傷口が小さく済むようにおなかに3か所穴をあけて、
トロッカーと呼ばれる専門器具を挿入して行う腹腔鏡手術で摘出される病院さんもあるそうです。

避妊手術のメリットとしては、男の子同様望まない繁殖の予防のほか、
乳腺腫瘍のリスク軽減(避妊手術のタイミングにもよります)、
子宮と卵巣を取りますので子宮卵巣の病気の予防(子宮蓄膿症や子宮水腫、卵巣嚢腫など)があげられます。

また男の子にはない『偽妊娠』を防ぐこともできます。
偽妊娠が起こると、実際は妊娠していなくても妊娠した時のような変化
(つわりや乳房の膨らみ、食欲減退などの症状)が出ますので、これらを防ぐことにもつながります。

デメリットとしては、男の子同様、麻酔によるリスク
ホルモンバランスの乱れによる疾患(肥満、免疫異常など)、
繁殖ができなくなるという点が挙げられます。

その他、発症率はさほど高いわけではありませんが、ホルモン反応性尿失禁
(尿道括約筋の緊張がゆるむことによっておもらしをしてしまう症状で、
中大型犬さんで起こりやすいといわれています)もデメリットの一つとして挙げられます。

去勢でも避妊でも、デメリットのうち気を付けられる部分は『肥満』です。
ワンちゃんはもともと運動量があるので運動をさせて痩せさせるというのはなかなか難しい傾向にあります。

となると、見直すべきはお食事やおやつの内容です。

脂質や炭水化物が多いものは太りやすい傾向にありますので、
タンパク質がしっかりとれるフードやおやつを選ぶのがおすすめです。

おやつであれば、ボーロやチーズ系のものではなく、
お肉やお魚のジャーキーに切り替えてみるのもよいかもしれません。

去勢・避妊手術は必ず行わなくてはいけないというものではありません。

メリットとデメリットをよく検討していただき、
手術を行う場合も行わない場合も、日常から我が子の健康状態をしっかり把握するように心がけましょう。

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