
毎年夏になると話題になる「土用の丑の日」。
スタミナの食材の代表格であるうなぎを食べる習慣は、古くから日本で親しまれてきました。
ではこの「うなぎ」、愛犬にもあげても良いのでしょうか?
結論から言うと、ワンちゃんにうなぎを与えることは可能ですが、少々注意が必要です。
今回は犬にうなぎを与える際のメリットと注意点をわかりやすく解説します。
- 土用の丑の日ってなに?犬にも関係あるの?
- 愛犬にも“土用の気づかい”を
- 犬にうなぎをあげてもいいの?
- 犬にうなぎをあげる際の注意点
- 安心してあげられるうなぎのおやつ
- うなぎ以外の「う」のつく食材
土用の丑の日ってなに?
「土用の丑の日(どようのうしのひ)」とは、季節の変わり目(=土用)にあたる期間のうち、十二支で“丑”にあたる日のことです。
特に夏の土用の丑の日は、「うなぎを食べて夏バテを予防しよう」という習慣で知られています。
この風習は、江戸時代の学者・平賀源内が「うのつく食べ物を食べると良い」と広めたことがきっかけとも言われており、元々は売り上げが落ち込んでいたうなぎ屋を助ける為だったとか。
しかし、うなぎはビタミンA、B群、D、E、カルシウム、亜鉛、DHA、EPAなど、夏を乗り切るために必要な栄養素が豊富に含まれています。
つまり、うなぎは夏バテ防止の食材として非常にマッチした食材で、長年親しまれてきたということです。
愛犬にも“土用の気づかい”を
人と同じように、犬たちも夏は体力を消耗しやすい季節。
食欲が落ちたり、散歩の時間が短くなって運動不足になったりと、夏バテの様な症状が出る子も少なくありません。
そんなとき、「土用の丑の日」をきっかけに、栄養価の高い食材や、水分をしっかり摂れるごはんで体をケアしてあげるのはとても大切です。
ただし、与える食材はワンちゃん用に安全な状態であることが大前提。
ヒトの行事を“愛犬用にアレンジ”して、一緒に季節を楽しむ優しい習慣をお楽しみください。
犬にうなぎをあげてもいいの?

基本的に、うなぎそのものは犬が食べても問題のない食材です。
ただし、人間用に味付けされたうなぎ(蒲焼きやタレ付き)は絶対NGです。
愛犬に与える場合は、「素焼き」や「白焼き」など、味付けされていない調理法で少量だけに留めておきましょう。
うなぎは非常に栄養価が高い魚で、特に夏バテ予防や皮膚・被毛の健康をサポートする成分が豊富に含まれています。
カロリー331kcal/100g
たんぱく質…20.7g
脂質…25.8g
炭水化物…0.1g
灰分…1.3g
水分…14.0%
ナトリウム…100㎎
カリウム…300㎎
カルシウム…140㎎
マグネシウム…18㎎
リン…230㎎
食塩相当量…0.3g
※白焼き 100gの栄養素を参考
豊富な栄養素とその働き
ビタミンA:皮膚や粘膜の健康維持、視力のサポート
ビタミンE:抗酸化作用によるエイジングケア
DHA・EPA:脳の健康、皮膚・被毛のサポート
タンパク質:筋肉の維持と回復、免疫力維持
ビタミンB群:代謝サポート、疲労回復
特にDHAやEPAは、ワンちゃんの皮膚トラブルや毛艶に良い効果が期待される成分として非常に注目されています。
また、うなぎの頭には身以上にカルシウムが多く含まれ、骨や歯の健康サポートにおすすめの食材です。
うなぎの骨は古くから漢方としても親しまれ、めまいやふらつき、震えや痙攣の改善に役立つと期待されていました。
身体を温める食材と考えられ、血行改善や夏場の冷え対策にピッタリです。
犬にうなぎをあげる際の注意点
うなぎは栄養豊富な反面、愛犬によってはリスクとなるポイントもいくつか存在します。
以下をしっかり確認し、状況に応じて対策しましょう。
【味付けは絶対NG】蒲焼きは与えないで!
市販のうなぎはその多くが「蒲焼き」。
甘辛いタレには砂糖・しょうゆ・みりんなどワンちゃんにとって刺激の強い調味料が使われています。
塩分や糖分過多で腎臓や膵臓に負担をかける恐れがあるため、味なしの状態のみで与えるようにしましょう。
【骨】に注意!小骨は取り除いて
うなぎには細かい骨がたくさんあります。
これが喉や消化管を刺激してしまうと、食欲不振や嘔吐などにつながることも。
小骨をしっかり取り除くか、骨ごと細かくほぐして与えてください。
【脂質が多め】与えすぎ注意
うなぎは魚の中でも脂質が多めのお魚です。
消化が不安がある子や、膵臓に心配がある子、高齢のシニア犬などには注意が必要な場合があります。
脂質を多く取ってしまうと、下痢・嘔吐・膵臓へ負担をかけてしまう場合があります。
「ちょっとだけ」「トッピング程度」にして、季節を楽しむ程度にしておくのが安心です。
【アレルギー反応】初めてのときは慎重に
お魚にアレルギーを持つワンちゃんもいます。
うなぎは日常的に与えることの少ない食材なので、初めて与える場合はごく少量から様子を見てあげましょう。
安心してあげられるうなぎのおやつ
イリオスマイルにはワンちゃん用に食べやすくしたうなぎのおやつを販売しております。
じっくり火を入れることで骨も脆くなり崩れやすく、余分な脂も落ちていますので、ぜひ夏の養生に取り入れてみてくださいね。

うなぎのかぶと焼き
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うなボーン
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きなりしっとりやわらかジャーキー ふっくらうなぎ
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うなぎ以外の「う」のつく食材
土用の丑の日は、なにもうなぎだけを食べる日ではありません。
元々は暑くても食べやすく体調サポートにおすすめのうどんや瓜などの「う」のつく食べ物や、中国の伝説上の心中に由来する黒いものを食べる風習もあります。
うなぎも黒いですが、黒豆、黒ゴマ、ひじきなども土用の丑の日に古くから食べられている食材です。
うなぎはワンちゃんも食べてならOK。少量のトッピングで季節感を楽しもう!

うなぎは愛犬にとってごちそう級のスタミナ食材ですが、与え方には注意が必要です。
「土用の丑の日だから」と季節感や気持ちを共有するのは素敵なこと。
安心安全を大切に、ご愛犬と一緒に夏のイベントを楽しみましょう。
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スタッフ
中嶋香苗
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